トースターでパンを焼いていたら、庫内から急に煙が出た。そんなときに慌てないために、オーブントースターが発火する原因と、ふだんの注意をまとめて紹介します。発火の多くは、本体の故障ではなく庫内の汚れや焼き方で起きています。原因が分かれば、次に使うときから防げることがほとんどです。
オーブントースターが発火する原因は4つ
オーブントースターの発火は、ほとんどが次の4つのどれかから始まります。いちばん多いのは、庫内にたまったパンくずや油汚れがヒーターの熱で焦げて燃えるパターンです。
| 原因 | 何が起きるか | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| パンくずや食品かすがたまる | ヒーターの熱で焦げて煙が出て火がつく | 使ったあとに受け皿のくずを捨てる |
| 加熱しすぎ | 食べ物の水分が抜けて炭のようになり燃える | タイマーを短めにして様子を見る |
| 油の多い食べ物 | 落ちた油がヒーターで熱せられて燃える | 網に直接のせずトレイを使う |
| 周りに燃えやすい物がある | 庫内の火がふきんや紙に燃え移る | 本体の上と周りに物を置かない |
汚れたトースターで発火した事例
製品評価技術基盤機構(NITE)が公表した事例では、食パンをトーストモードで焼いている間に席を離れたところ、庫内から火が出ました。調べると、電気部品には異常がありませんでした。庫内の底や下のヒーターに、油汚れや炭になった食品かすが付いていたそうです。
つまり、汚れたまま使い続けるだけで、ふつうのトーストでも火が出ることがあります。古いトースターだから燃えるのではなく、掃除をしていないトースターが燃えやすいと考えてください。
トースターのそばを離れたときに起きている
NITEは、オーブントースターの事故の多くが使用中に目を離したときに起きていると注意しています。焼いている数分の間に洗濯物を取り込んだり、スマホを見に行ったり。その間に火が出ると、気づいたときには周りに燃え移っていることがあります。
オーブントースターで発火しやすい食べ物
トースターで焼く食べ物の中には、とくに燃えやすいものがあります。油が多いもの、薄くて乾きやすいもの、焼くと形が変わるものは、そばで見ながら焼きましょう。
| 食べ物 | 燃えやすい理由 | 焼くときの注意 |
|---|---|---|
| バターやジャムを塗ったパン | 油や糖分が焦げて火がつく | 焼いてから塗る |
| 揚げ物や生の肉と魚 | 油がヒーターに落ちる | 網ではなくトレイにのせる |
| ぎょうざの皮やクッキーやかきもち | 薄くて水分が抜けやすい | そばを離れず焼き色を見る |
| チーズやお餅 | ふくらんだり溶けたりしてヒーターに触れる | 網の中央にのせて焼く |
NITEの再現試験では、乾いたぎょうざの皮を温度250℃、タイマー10分で焼いたところ、約3分で火が出ました。タイマーを10分にしていても、3分で燃えることがあるということです。ピザ用のぎょうざの皮やおつまみのチップスを作るときは、とくに気をつけてください。
三菱電機の使い方の注意でも、バターやジャムを塗ったパンは焼かないように書かれています。バタートーストにしたいときは、焼き上がってからバターをのせれば大丈夫です。
アルミホイルとオーブンシートはトースターのどこに使うか
アルミホイルはトースターで使えますが、置く場所を間違えると発火の原因になります。アルミホイルはトレイの上に敷き、ヒーターに触れないようにして使います。
- アルミホイルはヒーターに触れないように、端を折りこんで使う
- アルミホイルを使うときもトレイを一緒に使う(ホイルから油がもれることがある)
- パンくずを受けるトレーにはアルミホイルを敷かない(アイリスオーヤマの取扱説明書に記載)
- くず受けトレーは外したまま使わない(外すと火災の原因になると三菱電機が注意)
オーブンシートやケーキ用の型紙(硫酸紙)は、オーブントースターでは使わないでください。三菱電機は、これらが発火の原因になるとして使用を避けるよう案内しています。オーブンレンジで使える紙でも、ヒーターとの距離が近いトースターでは燃えることがあります。
キッチンペーパーやクッキングシートも同じ考え方です。紙はトースターの庫内に入れないと覚えておくと、迷わずに済みます。
オーブントースターから煙や火が出たときの対処
トースターから煙や火が出たら、最初にやるのは電源プラグを抜くことです。ドアは火が消えるまで開けず、水もかけません。西宮市消防局と三菱電機、NITEの注意は、どれも同じ流れになっています。
- タイマーを切り、電源プラグをコンセントから抜く
- ドアは開けずに、火が消えるまで様子を見る
- 水はかけない
- 炎が大きい、周りに燃え移りそうなときは、すぐに119番に通報する
- 消せそうなときだけ、消火器で初期消火をする
- 火が消えても再び燃えることがあるので、消防に相談する
トースターのドアを開けてはいけない理由
ドアを開けると、庫内に空気が一気に入って炎が大きくなります。三菱電機も、火が消えるまでドアを開けないよう案内しています。煙が出ていると中を見たくなりますが、ここはドアを閉めたまま待ってください。
トースターに水をかけてはいけない理由
熱くなったガラスに水がかかると、急に冷えて割れることがあります。割れたところから空気が入れば、ドアを開けたときと同じことになります。受け皿やトレイにも水をかけないようにしましょう。
一度煙が出たオーブントースターを使う前に確かめること
火が消えたあと、そのトースターをまた使ってよいのか迷う人は多いです。まず庫内を冷ましてから掃除をして、本体に傷みがないかを確かめましょう。次のどれかに当てはまるときは、使うのをやめてメーカーに相談してください。
- ドアのガラスにひびが入っている
- ヒーターの管が曲がっている、黒い汚れが落ちない
- 電源コードやプラグが変色している、溶けている
- 掃除をしたあとも、焦げたにおいが消えない
- 本体の外側が熱で変形している
どれにも当てはまらず、原因が庫内の汚れや焼きすぎだと分かっている場合は、受け皿と網をしっかり洗ってから、そばで見ながら1枚ずつ焼いて様子を見ます。ここで少しでも気になる煙やにおいが出たら、無理に使い続けないでください。
NITEの事例でも、電気部品に異常がないのに火が出ています。本体が壊れていなくても、汚れが残っていれば同じことがまた起きます。使い始める前の掃除は、いつもより丁寧にやりましょう。
オーブントースターの置き場所で気をつけること
庫内で火が出ても、周りに燃える物がなければ大きな火事にはなりにくいです。本体の上には物を置かず、カーテンやふきんから離して置きましょう。
- 本体の上にパンの袋やふきん、紙類を置かない
- カーテンなど燃えやすい物の近くで使わない
- ラックや棚の中に入れたまま使わない
- 壁や棚との間は、取扱説明書に書かれた距離をあける
- 熱に弱い敷物やビニールのクロスの上に置かない
NITEの揚げ物の事例では、トースターの近くにあった樹脂製のモップに火が燃え移っていました。キッチンは物が集まりやすい場所です。トースターの周りには何も置かない、と家族で決めておくと続けやすいです。
電源プラグも見ておきましょう。プラグとコンセントの間にほこりがたまったまま使うと、ショートや発火につながるおそれがあります。延長コードやたこ足配線で使うのも避けたほうがいいです。
毎日できるオーブントースターの発火対策は3つ
ここまでの内容を、毎日の動きにすると次の3つになります。「焼いている間は離れない」「使ったら受け皿のくずを捨てる」「本体の周りに物を置かない」の3つだけ守れば、発火の原因の多くは防げます。
- 焼いている間はトースターのそばにいる。離れるときは家族に見てもらう
- 使い終わって冷めたら、くず受けトレーを外してパンくずを捨てる
- 油の多い物を焼いた日は、トレイと庫内の油を拭き取る
- 本体の上と周りに置いてある物をどける
掃除は、受け皿と網を外して洗い、庫内は冷めてから固く絞った布で拭くだけで十分です。焦げ付きが取れないときも、金属たわしでこすったり、ヒーターに力を入れて拭いたりはしないでください。ガラスやヒーターを傷める原因になります。
まずは次にトースターを使う前に、くず受けトレーを引き出してみてください。パンくずがたまっていたら、それを捨てるところからオーブントースターの発火対策が始まります。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。





