加湿器を使い始めて数日で、テレビ台や棚の上がうっすら白くなる。拭いても次の日にはまた白い粉が積もっている。この白い粉の原因は、加湿器に入れた水道水に溶けているミネラルです。体に悪いものなのか、どうすれば減るのかを順番に紹介します。
加湿器の白い粉の原因は水道水に溶けているミネラル
白い粉の正体は、水道水に溶けているカルシウムやマグネシウムが、水分が飛んだあとに残ったものです。
水道水には、目に見えないミネラルが少しずつ溶けています。やかんや電気ケトルの底に付く白いかたまりと同じものです。加湿器がこの水を細かい粒にして部屋に出すと、粒が乾いたところでミネラルだけが残り、家具や床に落ちます。
よく「カルキ」と呼ばれますが、塩素のにおいとは別のものです。白く残るのはミネラルのほうで、水を替えても水道水を使っている限り出続けます。
白い粉とカビは手ざわりとにおいで見分ける
白い汚れがすべてミネラルとは限りません。カビや雑菌の汚れが混ざっていることもあります。見分けるときは、次の2つを確かめてください。
- 指でこするとサラサラしていて、においがない … ミネラルの白い粉
- ヌメリがある、黒や緑やピンクの点がある、カビ臭い … カビや雑菌の汚れ
カビの汚れだった場合は、白い粉の対策とは別に、タンクとトレイの掃除が先です。においのする水を部屋に出し続けるのは避けたほうがいいです。
白い粉が出やすいのは超音波式の加湿器
白い粉がたくさん出るのは、水をそのまま霧にして出す超音波式の加湿器です。加湿器の方式によって、ミネラルが部屋に出るかどうかが変わります。
| 加湿器の方式 | 白い粉の出やすさ | 理由 |
|---|---|---|
| 超音波式 | 出やすい | 水を振動で霧にするので、ミネラルも一緒に部屋へ出る |
| 気化式 | 出にくい | 水をフィルターに含ませて風で乾かすので、ミネラルはフィルターに残る |
| ハイブリッド式 | 出にくい | 気化式と同じくフィルターにミネラルが残る |
| スチーム式 | 出にくい | 水を沸かして湯気にするので、ミネラルは本体の中に残る |
気化式やスチーム式でも、ミネラルが消えるわけではありません。部屋に出ない代わりに、フィルターや本体の中に白くこびりつきます。どの方式でも、白い汚れの掃除は必要です。
今使っている加湿器が超音波式なら、白い粉はその仕組みから出ています。故障ではないので安心してください。
白い粉が多いのは水道水の硬度が高めの地域
同じ加湿器でも、水道水に溶けているミネラルが多い地域ほど白い粉が増えます。この量の目安が「硬度」です。
日本の水道水は、ほとんどが硬度の低い軟水です。それでも地域で差があり、平均は50mg/L前後ですが、関東では高め、北海道や東北では低めの傾向があります。引っ越してから急に白い粉が増えた、という人はこの差が出ています。
自分の地域の硬度は、住んでいる市区町村の水道局が出している「水質検査結果」に載っています。「お住まいの地域名 水道 硬度」で検索すると見つかります。数字が100mg/Lに近い地域なら、白い粉が目立ちやすいと考えておいてください。
加湿器の白い粉はテレビやパソコンから離して防ぐ
超音波式の加湿器は、テレビやパソコンなどの家電から離して置きます。白い粉は家電の中にも入ります。
超音波式の加湿器のすぐそばに置いた液晶タブレットに白い粉が入り込み、画面に不具合が出た例があります。加湿器のメーカーにも、超音波式やスチーム式は精密機器の近くに置かないよう案内しているところがあります。ほこりと違って、乾くと固まるので、ファンや基板に付くと取れにくいです。
置き場所は、次のようにするのがおすすめです。
- 床から30〜50cmほど高い台の上に置く
- テレビ、パソコン、オーディオ、プリンターから離す
- 霧の出る向きを、家電や壁に向けない
- カーテンや木の家具に霧が直接当たらない場所にする
どのくらい離せばいいかの決まった数字はありません。霧が広がって落ちる範囲には家電を置かない、と考えてください。部屋が狭くて離せないなら、方式を気化式やハイブリッド式に替えるほうが早いです。
浄水器の水や精製水に替えるなら毎日の水替えが前提
水道水から精製水に替えると白い粉は減りますが、その分タンクの中で雑菌が増えやすくなります。ここは白い粉の話で見落とされやすいところです。
水道水には、消毒のための塩素が入っています。この塩素がタンクの中で雑菌が増えるのをおさえています。浄水器の水やミネラルウォーター、精製水は塩素が抜けているか、もともと入っていません。そのため多くの加湿器メーカーは、取扱説明書で水道水を使うよう案内しています。
それでも白い粉を減らしたくて水を替えるなら、次の3つを守ってください。
- タンクの水は毎日すべて捨てて、新しい水を入れる
- 残った水に足して使わない
- タンクとトレイを週に1回は洗う
ミネラルウォーターは、白い粉を減らす目的には向きません。商品によっては水道水よりミネラルが多く、かえって白い粉が増えることがあります。水を替える前に、まず使っている加湿器の取扱説明書で使える水を確かめておくと安心です。
家具に付いた白い粉と加湿器の水アカはクエン酸で落とす
白い粉も加湿器に付いた水アカも、酸性のクエン酸を使うと落ちます。ミネラルの汚れはアルカリ性なので、酸で溶かします。
家具や床に付いた白い粉は、まず固く絞った雑巾で拭きます。拭いても白く残るときは、クエン酸を溶かした水をタオルに含ませて拭き、最後に水拭きします。
加湿器の吹き出し口やトレイの白いかたまりは、つけ置きで落とします。
- 電源を切り、コンセントを抜く
- ぬるま湯1Lにクエン酸を小さじ1杯ほど溶かす
- 外せる部品を30分から1時間ほどつけておく
- 柔らかいスポンジや歯ブラシでこする
- 水でよくすすぎ、乾かしてから戻す
クエン酸の量やつけ置きの時間が取扱説明書に書いてある場合は、そちらに合わせてください。すすぎが足りないと、においの原因になります。重曹はミネラルの汚れにはあまり効かないので、白い汚れにはクエン酸を使いましょう。
加湿器の白い粉を減らすためにすぐできる4つのこと
白い粉は、水道水のミネラルと超音波式の仕組みが重なって出ます。どちらかを変えれば減らせます。買い替えなくてもすぐにできることは、次の4つです。
- 加湿器をテレビやパソコンから離して、30cm以上高い台に置く
- 白く積もった家具は、乾いた粉のうちに拭き取る
- 吹き出し口とトレイの白いかたまりを、クエン酸でつけ置きして落とす
- 精製水に替えるなら、タンクの水を毎日替える
それでも白い粉が気になる場合や、部屋に家電が多くて離して置けない場合は、次に買い替えるときに気化式かハイブリッド式を選ぶのがおすすめです。部屋に出る白い粉は大きく減り、掃除はフィルターとトレイだけで済むようになります。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。





